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<オピニオン7>
アサーティブに話そう
学校でのいじめや職場でのハラスメントの増加を受けて、近年、アサーション(assertion)が注目されています。すでにご存じの方もおられることでしょう。
アサーションとは、直訳すれば「自己主張」の意味ですが、単に主張するのではなく互いに尊重しつつ自分の考えを伝える手法と捉えられています。1950年代にアンドリュー・サルター(Andrew
Salter、1914〜1996)が指摘した“人間は本来もっと自由なのに養育により抑制的になっている”という指摘がジョセフ・ウォルピ(Joseph
Wolpe、1915〜1997)の「行動療法」に取入れられ、さらに70年代のアメリカで黒人や女性などの抑圧された人々が社会で適切に発言していく方法として発展しました。
しかし、考えてみると、抑圧が存在することがそもそも不健全というべきで、全ての人が互いに他者を尊重するコミュニケーションを実行して抑圧をなくしていくべきでしょう。そこで本稿では、サルターの指摘に戻って、子どもたちの抑圧について考えてみます。
私たちおとなは、子どもがよくない行動をすると、「ひどい目に遭わせるぞ」とか「ダメな人間になってしまうぞ」などと、相手を威嚇したり不安を与えるコミュニケーションを採ってしまうことがあります。こういう態度は、子どもの行動のどこがどのように良くないのか、おとながしっかり説明できないまま叱っている場合に多いのではないでしょうか。わからないままに叱られた子どもは、成長になったかも知れない機会を生かすことができず、抑えられたという経験だけを蓄積します。
この事例を持ち出すまでもなく、抑圧しうる立場にある人こそがアサーティブにならないと抑圧はなくならないということです。では、どうすればアサーティブになれるのでしょうか。アサーションのレッスンでは、自分はどう考えるか、どう感じるかを(否定的な考えやネガティブな感情も含めて)ありのままに捉え、それを自分を主語にして伝えるのだと教えます。相手を批判するのではなく、あくまで自分の考えや気持ちを伝えることに務めます。例えば、「そんなことをしているからあなたはダメなんだ」と言うのではなく、「そうしているあなたを見ると私は悲しくなるんだ」と言ってみるのです。
この時、「自分は□□だから○○でなければいけない」というようなへんな思い込みに捕らわれないことが大切です。こだわりを捨てるところから対等なコミュニケーションが生まれます。
NLFは多様な特質をもつ人たちがつながりあえることを目指しています。いかがでしょうか。まず私たちが率先してアサーティブになって、互いに尊重する関係を築いていきませんか。
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